オーチャード フルーツ / ロイヤル・ウスター社とエインズレイ社
「Orchard Fruit /オーチャード(果樹園)の フルーツ」
とは 英国(イギリス)の歴史ある名窯Royal Worcester(ロイヤル・ウスター)社やAynsley (エインズレイ)社などが出している陶器の絵柄のパターンの名前です。
左側の写真がRoyal Worcester(ロイヤル・ウスター)社のプレート、右側の写真がAynsley (エインズレイ)社のプレートです。
Royal Worcester(ロイヤル・ウスター)社のアーティストOctar Copson (1872–1880まで勤務) がオーチャード フルーツを絵付けする最初の人物であったと言われています。
まず透明色の絵の具で絵付けをし、焼成しますが、その後、この工程(絵付けと焼成)を何度も何度も繰り返します。各々の段階で、アーティストは、その絵の果物に本物らしく立体感を与えるために、色の強さなどを表現していきます。
透明色を使うことで 塗られた色の下の色が見えて、それが色の深みを出し、最終の絵付けが完成したときに 深く立体感のある作品が出来上がるのです。
しかし、それでも 完全でありません。
何回もの絵付けと焼成の工程を繰り返して出来上がった作品に 美しさ、色彩の豊かさ、そして輝きを加えるために22カラット金や色々な特別な技術が駆使されます。
そして、豊富な知識、経験がある熟練した職人によって 最終的な点検がされていたのです。
1930年代 当時、常に磁器の品質とデザインの優雅さで有名であったAynsley (エインズレイ)社は、果物(フルーツ)のデザインが非常に人気があったRoyal Worcester(ロイヤル・ウスター)社と争っていました。
そしてAynsley (エインズレイ)社は Royal Worcester(ロイヤル・ウスター)社に対抗するため そのデザインで低価格で価格競争するためにのオーチャード・デザインを生み出したのです。
まず 数人の有名なデザイナーと画家を雇用しました。
1930年代からのオーチャード(果物)シリーズは、最初のデザイナーであるDoris Jones(ドリス・ジョーンズ1938-1969まで勤務)とNancy Brunt (ナンシー バァーント1935-1975まで勤務)によって絵付けされました。
トランスファー(転写)した上に ハンドペイント(手描き)することで 価格を大幅に抑えることができたのです。
現在でも生産されているAynsley (エインズレイ)社のオーチャード ゴールド シリーズの中でも Doris Jones または Nancy Bruntのサインがあるものが 1940年代~1960年代にかけて トランスファー(転写)した上にハンドペイント(手描き)されたものであるとわかります。
現代のオーチャード ゴールド シリーズ
1970年代後期に、先進の転写技術の開発で、オーチャード(果物)デザインの生産は、高価なハンドペイントから低コストの転写へと変わりました。
発色の工程で何度かの窯入れが必要とされるので これらのシリーズはAynsley (エインズレイ)社の製品の中でで最も高価です。 が、ハンドペイントではありません。
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